要介護認定の申請方法と流れ【体験談】かかった期間も公開

介護の始め方

親が入院して、病院から「介護保険の申請をしておいたほうがいいですよ」と言われた。あるいは退院の話が出はじめて、「この状態で家に帰って、どうやって生活するんだろう」と不安になっている——この記事は、そんな方に向けて書きます。

私は働きながら、1人で両親を介護しています。要介護認定の申請は、母と父で2回経験しました。しかも、母のときは自分で市役所の窓口へ行き、父のときは病院の相談員さんがほとんど手配してくれた、という対照的な2パターンです。

この記事では、要介護認定の申請の流れと、わが家で実際にかかった期間、つまずいた点を書きます。

結論: わが家は「2か月弱」と「それより早く」でした

先に、いちばん知りたいであろう答えから。

  • 母の場合: 申請から結果通知まで2か月弱かかりました。入院先の病棟で面会が禁止になり、認定調査が遅れたためです(詳しくは後述します)
  • 父の場合: 母のときよりずっと早く結果が届きました。入院中の病院に調査員さんが来てくれて、調査がスムーズに進んだためだと思います

制度上は「申請から原則30日以内」に結果を通知することになっています。ただ、わが家の母のように事情があって延びることもありますし、自治体によっては1か月半〜2か月ほどかかる場合もあるようです。「30日で出ないこともある」と思っておくと、気持ちが楽だと思います。

正確な期間や手続きは、お住まいの市区町村の窓口でご確認ください。制度の全体像は厚生労働省「要介護認定に係る制度の概要」にまとまっています。

要介護認定の申請の流れ(全体像)

まず、流れを4つのステップでざっくり押さえます。

ステップ1: 申請する(市区町村の窓口へ)

申請先は、親が住んでいる市区町村の介護保険の窓口です。本人が行けない場合は家族が申請できますし、地域包括支援センターや、入院中なら病院の相談員(医療ソーシャルワーカー)さんに申請を支援してもらえる場合もあります。わが家は母のとき家族(私)が窓口へ、父のときは病院経由でした。

ステップ2: 認定調査(調査員さんの訪問)

申請すると、市区町村の調査員さんが本人のもとを訪ねてきて、心身の状態を確認します。聞かれるのは全国共通の基本調査74項目+気づいたことを書く特記事項。自宅だけでなく、入院中なら病院で受けることもできます。わが家は2回とも病院で受けました。

ステップ3: 主治医の意見書

市区町村から主治医に依頼が行き、医学的な観点の意見書を書いてもらいます。ここは家族がやることはほぼありませんが、申請書に主治医の名前と病院名を書く欄があるので、申請前に「どの先生に頼むか」だけは決まっている必要があります。

ステップ4: 審査・判定 → 結果通知

調査結果と意見書をもとに、コンピュータによる一次判定と、専門家による介護認定審査会の二次判定を経て、結果が郵送で届きます。結果は「非該当」「要支援1・2」「要介護1〜5」のいずれかです。

わが家の場合①: 母のとき(自分で窓口に行った)

入院してすぐは「介護のかの字」も頭になかった

母は脳出血で倒れ、救急搬送されました(このときのことは「親の介護が始まった日のこと」に書いています)。

正直に書くと、最初の急性期の病院にいる間、要介護認定のことは頭にかけらもありませんでした。考えていたのは治療のことだけ。1か月ほどで転院することになるのも知らなかったくらいです。もしかしたら病院から案内があったのかもしれませんが、それどころではなかった、というのが本当のところです。

申請の話が具体的に動き出したのは、リハビリ型の病院に転院してからでした。

地域包括支援センターにも行ったけれど、申請は自分で窓口へ

申請の前に、地域包括支援センターにも相談に行きました。申請の代行もお願いできるようだったのですが、わが家の場合は、結局自分で市役所の窓口に行って申請しました。

正直に書くと、担当してくださった方と、どうも相性が合わなかったのです。悪い方ではなかったのだと思います。ただ、当時の張り詰めた気持ちで話すには、少ししんどい相手でした。

介護の手続きでは、相談員さん、調査員さん、ケアマネジャーさんと、たくさんの「人」に出会うことになります。同じ制度でも、対応してくれる人しだいで、介護する側の気持ちの負担は本当に変わる——これはあくまで私の感想ですが、介護3年目のいま、実感として思うことです。

だからもし、相談した相手と合わないなと感じても、そこで止まらなくて大丈夫です。要介護認定の申請は、自分で市区町村の窓口に行ってもできます。私がそうでした。

窓口に持って行ったもの

記憶があいまいな部分もあるのですが、介護保険被保険者証(65歳になると市区町村から送られてくる保険証)は持って行ったはずです。

母はマイナンバーカードを持っていませんでした。その代わり、せっかく市役所に来ているのだからと、その場でマイナンバー記載の住民票を取って、それを使った記憶があります。カードがなくても、窓口が市役所なら、その場でなんとかなりました。

いまから行く方のために、一般的に必要とされるものを挙げておきます(自治体によって異なるので、事前に市区町村のホームページか電話でご確認ください)。

  • 要介護・要支援認定の申請書(窓口にあり、多くの自治体はホームページからも印刷できます)
  • 介護保険被保険者証(65歳以上の場合)
  • 健康保険証(40〜64歳で特定の病気により申請する場合)
  • マイナンバーの分かるもの
  • 窓口に行く人の本人確認書類
  • 主治医の氏名・医療機関名のメモ(申請書に記入欄があります。私は面会に通っていた病院だったので迷わず書けましたが、この欄があると知らずに行くと、その場で困る方もいると思います)

想定外だったこと: 面会禁止で調査が遅れた

母の認定調査は、入院先の病院で受けることになりました。ところが、病棟で感染症が出て(たしかコロナでした)面会が禁止になり、調査員さんも病院に入れなくなってしまったのです。

こればかりは、誰のせいでもありません。ただ、「申請すれば1か月くらいで結果が出るんだろう」と思っていたので、待っている間は落ち着かなかったです。結果的に、申請から結果通知まで2か月弱かかりました。

なお、調査には私は同席できませんでした。普段の母の様子を調査員さんに直接伝えられないのは、少し不安でした。

届いた結果は、要介護5。いちばん重い区分です。

母の様子を見ていて、ネットでいろいろ調べてもいて、そうじゃないかとは思っていました。だから通知を見たときの気持ちは、ショックというより「ああ、やっぱりなぁ」でした。最初の病院で「元に戻ることはないですよ」と言われて、それに抗いたくてリハビリ型の病院を選んだんですけどね。

わが家の場合②: 父のとき(病院の相談員さんにお任せ)

母の介護が始まって1か月ほどのころ、今度は父の胃がんが分かりました。父は軽い心筋梗塞や胆嚢炎も患っていて、なかなか手術ができず、入院が長引きました。

そして退院が見えてきたころ、病院から「介護申請をしておいたほうがいいですよ」と勧められました。申請の手配は、病院の相談員さんがほとんどやってくれたと記憶しています。

認定調査も入院中の病院で受けました。「調査には看護師さんが対応するので大丈夫ですよ」と言ってもらえたので、私は立ち会っていません。母のときのような遅れもなく、結果は早く届きました。父は要介護1でした。

一度目(母)の申請ではあれこれ調べて自分で動いたのに、二度目(父)は「特に何かした記憶がない」くらい、おまかせで進みました。この差は大きかったです。入院中なら、まず病院の相談員さんに「介護保険の申請はどうしたらいいですか」と聞いてみる——これが、2回経験した私からいちばんお伝えしたいことかもしれません。

ちなみに父のケアマネジャーさんは、先に決まっていた母のケアマネジャーさんにそのままお願いしました。ケアマネさんの話は、また別の記事で書きます。

2回申請して分かったこと(まとめの前に)

  • 入院中でも申請できるし、調査も病院で受けられる。 退院してから慌てて動くより、入院中に済ませておくほうがスムーズでした
  • 病院に相談員さんがいるなら、まず相談。 父のときは手配をほぼお任せできました
  • 結果までの期間は読めないことがある。 原則30日以内でも、感染症の流行などで調査が遅れることも。早めの申請が安心です
  • 家族が調査に同席できないこともある。 心配な場合は、普段の様子をメモにして病院や調査員さんに渡せないか、事前に相談してみるといいと思います(わが家の申請はもう終わってしまったので、これから申請するあなたに託します)

結果が出る前でも、知っておいてほしいこと

認定の効力は申請日にさかのぼって有効になります。つまり、結果を待っている間に使った介護サービスも、あとから保険の対象にできる場合があります(暫定ケアプランという仕組みです)。

わが家は2回とも入院中の申請だったので、この仕組みを使う場面はありませんでしたが、在宅で介護しながら結果を待つ場合には大事なポイントです。詳しくはケアマネジャーさんか市区町村にご確認ください。

まとめ

  • わが家の要介護認定は、母が申請から2か月弱(面会禁止で調査が遅延)、父はそれより早く結果が届きました。制度上は原則30日以内です
  • 母のときは自分で市区町村の窓口へ、父のときは病院の相談員さん経由で申請しました。入院中なら、まず相談員さんに聞くのがおすすめです
  • 申請書には主治医の名前と病院名を書く欄があります。窓口に行く前に、これだけは確認を

うちの親の場合の話なので、詳しい手続きはお住まいの市区町村で確認してくださいね。それでも、「申請ってこんな感じで進むんだ」というイメージだけでも持ち帰ってもらえたらうれしいです。

次の記事では、認定調査の当日、実際にどんなことが聞かれるのかを書く予定です。

こもれび

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